
中学生におすすめの本
読書感想文を書く中学生におすすめの本を紹介します。
それぞれの本では、あらすじのほかに、「こんな感想を書きやすい」「考えてみよう」も紹介します。読みやすさやページ数も見て、自分に合う1冊を選んでください。
『カラフル』 森絵都/作
- 読みやすさ
- ★★★★☆ 少し長いが、読み進めやすい
- ページ数
- 282ページ
- 出版社
- 講談社
あらすじ
「ぼく」は、前世で大きな過ちを犯したため、もう一度だけ人生をやり直す機会を与えられます。案内役のプラプラに導かれ、自殺を図った中学生・真の体に入り、真として学校や家庭で暮らし始めます。家族や友人と過ごす中で、「ぼく」は真が見ていた世界と、自分が知っていた人たちの姿が違うことに気づきます。生きることや人を理解することを考えさせる物語です。
こんな感想を書きやすい
- 真が見つけた家族や友人の新しい一面
- 人を一つの見方だけで決めつけないこと
- 自分らしく生きることについて考えたこと
考えてみよう
- 真が最初に抱いていた家族への印象は、どのように変わりましたか。
- 「カラフル」という題名には、どのような意味があると思いますか。
- 自分にも、見方が変わったことで印象が変わった人やできごとはありますか。
『博士の愛した数式』 小川洋子/作
- 読みやすさ
- ★★★★☆ 少し長いが、読み進めやすい
- ページ数
- 256ページ
- 出版社
- 新潮社
あらすじ
交通事故の後遺症で、博士の記憶は80分しか続きません。新しく博士の家へ通うことになった家政婦の「私」と、その息子ルートは、毎朝初めて会うように博士へ自己紹介をします。数字を愛する博士は、数式や野球の話を通して、二人と少しずつ心を通わせます。限られた時間の中で育つ、博士と親子の静かであたたかな関係を描いた物語です。
こんな感想を書きやすい
- 博士と「私」、ルートの関係
- 数式や数字に込められた美しさ
- 記憶が続かない博士と接する人たちの気持ち
考えてみよう
- 博士は、なぜルートのことを大切にしたのでしょうか。
- 数式が人と人をつなぐ場面で、心に残ったところはどこですか。
- 限られた時間だからこそ大切にしたいことは何ですか。
『夜のピクニック』 恩田陸/作
- 読みやすさ
- ★★★☆☆ 長め、言葉や話が少し難しい。じっくり読むのがおすすめ
- ページ数
- 464ページ
- 出版社
- 新潮社
あらすじ
高校生活最後の行事「歩行祭」で、全校生徒は夜を徹して80キロの道のりを歩きます。貴子には、かつて親しかった男子生徒・融と、一言も話さずに歩き通したいという小さな賭けがありました。長い一日の中で、同じ班の友だちやクラスメートたちの秘密、言えなかった思いが少しずつ見えてきます。一晩の歩みを通して、友人関係が動き出す青春小説です。
こんな感想を書きやすい
- 貴子と融の関係
- 歩行祭を通して見える友人関係
- 言葉にできない気持ちについて考えたこと
考えてみよう
- 貴子は、なぜ融と話さないという賭けをしたのでしょうか。
- 夜通し歩く行事は、登場人物たちにどのような変化をもたらしましたか。
- 友だちに言えずにいる気持ちについて、考えたことはありますか。
『君たちはどう生きるか』 吉野源三郎/作
- 読みやすさ
- ★★★☆☆ 長め、言葉や話が少し難しい。じっくり読むのがおすすめ
- ページ数
- 268ページ
- 出版社
- ポプラ社
あらすじ
中学生のコペル君は、学校の友だちとのできごとや家族との会話を通して、いじめ、貧困、勇気、社会のしくみについて考えていきます。失敗したり、友だちを助けられなかったことを悩んだりしながら、コペル君は少しずつ自分の考えを深めます。物語の間には、おじさんがコペル君へ送る手紙が入っています。自分ならどう生きるかを問いかける作品です。
こんな感想を書きやすい
- コペル君が友だちとのできごとから学んだこと
- おじさんの手紙で心に残った言葉
- 社会の中で自分がどう生きるか
考えてみよう
- コペル君は、友だちを助けられなかったことをどう受け止めましたか。
- おじさんの手紙で、いちばん心に残った考えは何ですか。
- 自分が大切にして生きたいことは何ですか。
『アルジャーノンに花束を』 ダニエル・キイス/作 小尾芙佐/訳
- 読みやすさ
- ★★★☆☆ 長め、言葉や話が少し難しい。じっくり読むのがおすすめ
- ページ数
- 480ページ
- 出版社
- 早川書房
あらすじ
知的障害のあるチャーリイは、パン屋で働きながら、賢くなりたいという願いを持っています。研究者から知能を高める手術の候補に選ばれたチャーリイは、実験を受けることを決めます。急速に多くのことを学べるようになったチャーリイは、これまで見えなかった人々の気持ちや、自分自身の過去と向き合うことになります。知性と人間の尊厳を考えさせる物語です。
こんな感想を書きやすい
- チャーリイの変化と成長
- 知性と幸せの関係
- 人を尊重するとはどういうことか
考えてみよう
- チャーリイが知能を得てから、周りの人の見え方はどう変わりましたか。
- この物語は、知性だけでは得られないものについて何を伝えていると思いますか。
- 人を一人の人間として大切にするとは、どのようなことですか。
『かがみの孤城』 辻村深月/作
- 読みやすさ
- ★★★☆☆ 長め、言葉や話が少し難しい。じっくり読むのがおすすめ
- ページ数
- 558ページ
- 出版社
- ポプラ社
あらすじ
学校で居場所をなくし、部屋に閉じこもっていた中学生のこころ。ある日、部屋の鏡が光り始め、鏡の向こうにある城へ入れるようになります。そこには、こころと同じように学校へ行けない六人の中学生が集められていました。城に隠された鍵を探すうちに、七人は少しずつ自分の悩みや相手の気持ちと向き合い始めます。
こんな感想を書きやすい
- こころと七人の関係の変化
- 学校での居場所について考えたこと
- 誰かに助けを求めることの大切さ
考えてみよう
- こころたちは、なぜ城に集められたのでしょうか。
- 登場人物の中で、いちばん共感した人はだれですか。
- つらいときに人とつながることについて、どう思いますか。
『きみの友だち』 重松清/作
- 読みやすさ
- ★★★☆☆ 長め、言葉や話が少し難しい。じっくり読むのがおすすめ
- ページ数
- 436ページ
- 出版社
- 新潮社
あらすじ
病気で松葉杖を使う恵美と、周りにうまくなじめない由香は、小学生のころに出会います。二人の関係を軸に、同じ学校で過ごす子どもたちの友情、すれ違い、うわさ、孤立などが、いくつもの物語で描かれます。登場人物によって見えるできごとや感じ方が違い、友だちとの距離も一つではありません。人によって違う「友だち」のあり方を考えさせる連作小説です。
こんな感想を書きやすい
- 恵美と由香の関係
- 登場人物それぞれの友だちの形
- 相手を分かろうとすることの難しさ
考えてみよう
- 恵美と由香は、どのような友だちだと思いますか。
- 心に残った物語と、その理由は何ですか。
- 自分にとって友だちとは、どのような存在ですか。
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 東野圭吾/作
- 読みやすさ
- ★★★☆☆ 長め、言葉や話が少し難しい。じっくり読むのがおすすめ
- ページ数
- 416ページ
- 出版社
- KADOKAWA
あらすじ
夜、空き家になった「ナミヤ雑貨店」に逃げ込んだ三人の若者のもとへ、古い郵便受けから悩み相談の手紙が届きます。返事を書いて投函すると、相手からまた返事が来る不思議なやりとりが始まります。手紙の差出人は、それぞれ仕事、家族、夢などに悩んでいました。相談への返事を考えるうちに、相談者たちの人生と三人の人生が、思いがけない形でつながっていきます。
こんな感想を書きやすい
- 相談の手紙と返事がつなぐ人々
- 登場人物が選んだ人生の道
- 人の悩みに答えることの難しさ
考えてみよう
- 自分なら、どの相談の手紙にどんな返事を書きますか。
- 過去と現在の登場人物は、どのようにつながっていましたか。
- 悩んでいる人にかける言葉について、考えたことはありますか。
『ギヴァー 記憶を注ぐ者』 ロイス・ローリー/作 島津やよい/訳
- 読みやすさ
- ★★★☆☆ 長め、言葉や話が少し難しい。じっくり読むのがおすすめ
- ページ数
- 253ページ
- 出版社
- 新評論
あらすじ
争いも貧困もない共同体で暮らす少年ジョナスは、十二歳の儀式で「記憶を受け継ぐ者」に選ばれます。共同体の人々は、過去の記憶を持たず、決められた仕事や家族の形の中で暮らしています。ジョナスは年老いた「与える人」から、喜びや痛み、色や愛に関する記憶を受け取ります。平和に見えた社会が何を失っているのかを知り、自由と安全について考える近未来小説です。
こんな感想を書きやすい
- 共同体のルールと自由の関係
- ジョナスが受け取る記憶
- 安全な社会に必要なものについて考えたこと
考えてみよう
- ジョナスの共同体は、なぜ争いのない社会を作れたのでしょうか。
- その社会では、何が失われていたと思いますか。
- 自由と安心のどちらを大切にしたいか、理由とともに考えてみましょう。
『ツナグ』 辻村深月/作
- 読みやすさ
- ★★★☆☆ 長め、言葉や話が少し難しい。じっくり読むのがおすすめ
- ページ数
- 448ページ
- 出版社
- 新潮社
あらすじ
死んだ人と一度だけ会わせてくれる「ツナグ」は、会いたい人と会われる人の両方が望んだときだけ、その願いをかなえます。アイドル、母親、親友、婚約者など、さまざまな人が会えなくなった相手への思いを抱えて、使者のもとを訪れます。再会を望む人たちは、言えなかったことや、知りたかったことと向き合います。別れの後に残った気持ちと、生きている人が前に進む姿を描く連作小説です。
こんな感想を書きやすい
- 会いたい人への登場人物の思い
- 別れた後に残る後悔や感謝
- 生きている人が前に進むこと
考えてみよう
- もし一度だけ会えるなら、だれに何を伝えたいですか。
- 心に残った話と、その理由は何ですか。
- 別れの後に人とつながり続けるとは、どういうことだと思いますか。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 ブレイディみかこ/作
- 読みやすさ
- ★★★☆☆ 長め、言葉や話が少し難しい。じっくり読むのがおすすめ
- ページ数
- 256ページ
- 出版社
- 新潮社
あらすじ
イギリスの中学校に通う「ぼく」と、新聞記者である母親の会話を通して、人種、貧困、ジェンダー、格差などの身近な問題を考えるエッセイです。学校での友だちとのできごとや地域の人との出会いから、「ぼく」は社会にある不公平さに気づきます。自分とは異なる立場の人の気持ちを想像する「エンパシー」という考え方が、具体的なできごとの中で何度も問い直されます。
こんな感想を書きやすい
- 「エンパシー」という考え方
- 自分と異なる立場の人を想像すること
- 社会の問題を身近なできごととして考えること
考えてみよう
- 「共感」と「エンパシー」は、どのように違うと思いますか。
- 印象に残った親子の会話はどれですか。
- 自分の学校や地域にある多様性について考えてみましょう。
『飛ぶ教室<新訳>』 エーリヒ・ケストナー/作 若松宣子/訳
- 読みやすさ
- ★★★☆☆ 長め、言葉や話が少し難しい。じっくり読むのがおすすめ
- ページ数
- 245ページ
- 出版社
- 偕成社
あらすじ
寄宿学校で暮らす五人の少年たちは、けんかや劇の練習、クリスマスを前にしたできごとを通して、友情を深めていきます。仲間には、家族と離れて暮らすさびしさや、貧しさなど、それぞれに悩みがあります。少年たちが困った仲間のために考え、行動する姿を、個性的な先生たちが見守ります。友情と正義、思いやりを描く学園小説の名作です。
こんな感想を書きやすい
- 五人の少年それぞれの個性
- 友情と正義について考えたこと
- 先生たちが生徒を見守る姿
考えてみよう
- 五人の中で、いちばん共感した人物はだれですか。
- 少年たちは、困ったときにどのように助け合いましたか。
- 自分が思う「よい先生」とは、どのような先生ですか。